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『呼吸と自律神経』

呼吸は意識的にもできるし無意識でもできる人体に唯一の生理機能です。

言い換えますと「完全な随意機能であるとともに完全な不随意機能」 でもあります。

 

なぜなら呼吸はそれぞれ随意神経系(運動器系)と不随意神経系(自律神経系)にという二つの異なった神経に支配されているからです。

つまり呼吸はその2つの神経系をつなぐ架橋のようなものです。


呼吸生まれた時から備わっている運動とリズムであり命と活力の源である

自律神経は身体の重要な機能をすべてつかさどってるので自律神経系のバランスが狂うと様々な症状がでます。

いわゆる自律神経失調症には心拍の乱れ、高血圧、血液の循環不全、胃腸の障害、泌尿器の障害、生殖器の障害などさまざまです。

 

しかし意識的な心には自律神経系に直接通じる通路がない。
私たちは自律神経を直接コントロールすることはできない・・・。
不随意活動(無意識的)としての自律神経系の営みを経験はすることはありますが意思によってそれらに影響及ぼす事は通常はできない仕組みになっているのです。


 呼吸は自律神経系に働きかけるほかに感情の状態や気分に直接結びついています。


例えば怒っている人、怖がっている人、狼狽している人を見ればその人の呼吸が浅く速く騒がしく不規則であることに気づきます。

 ゆっくりと深く、静かで規則的な呼吸をしているときには狼狽しようにもできないはずです。


意志の力で「どんな時にでも平穏でいる!」ということは残念ながらできませんが、不随意神経を使ってゆっくりと深く静かで規則的な呼吸をすることはできるのです。

 

 呼吸のリズムと深さを意識的にコントロールすることができれば心拍数、血圧、血液循環、消化を調節する方法を学んだことになり、同じようにして治癒系を整えることもできるのです。


眼を閉じて自分の呼吸に集中し、呼気と吸気のサイクルを観察して「呼気から吸気に変わる瞬間、吸気から呼気に変わる瞬間」を見届けることからはじめてみましょう。

まずは結果も何も考えずに・・・・。